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日テレ「終戦60年特別ドラマ 火垂るの墓」見ました。

 あの誰もが知っているアニメ映画「火垂るの墓」の日テレドラマ版が放送されました。
主役が松嶋奈々子???映画では悪印象の親戚おばさん役の松嶋奈々子が主役ということでどんな内容かなと興味津々で見ていましたが、一言で言えばつまらないドラマでした。

 まずアニメの印象が強すぎるためにどうしても比較をしてしまう。普通は清太と節子の兄妹を主役にするのが筋ですが、視聴率のためか主役に名の売れた女優を持ってきたのがまずかった。原作を大幅に改変することもできないのでおかげで全体的に物凄く半端な内容になってしまったと思います。

 細かいことを言えばきりが無いのですが最後の松嶋の台詞「死んだら負け」、これはひどい。確かに母親として自分の子供達を守るために非情にもなることはその時代背景から考えても理解できるが、戦時の過酷な状況で子供ながら精一杯生きた節子や清太は?命をかけて戦って死んだ松嶋の夫や清太・節子の父、そして日本の兵隊は負けなのでしょうか?この松嶋は95歳まで生きた自分は勝ちだと言いたいのかな・・・そしてそのようなスタンスで松嶋を描いているにもかかわらず(このままではいけないと思ったの如く)最後の最後で取ってつけたような美化の仕方で感動も半減しました。この3時間もあるドラマ、不満ながらも最後まで見ることができたのは二人の子役の演技です。二人の演技にぐっときて泣きそうになるのですが、リアリティの無い演出で現実に引き戻されるの繰り返しでした。

 最後にこの手のドラマのほとんどが反戦!反戦!反戦!主張のしすぎでしらけてしまう。ドラマの最中にも、当時の日本政府や軍人などを現在の価値観のみで批判するような台詞はあったのですが、最後のエンドロールで清太・節子と現在のイラクの子供達を交互に流したのには完全に冷めてしまった。

 このドラマの唯一評価できる点は二人の子役の演技のみです。そしてフィクションだとしても、ろくに時代考証もせず戦後の価値観で偏った思想を前面に出したドラマを作ってしまう、やっぱり歴史を正しく知ることは大事だと改めて感じさせられました。戦争は何としてでも回避せねばならない、僕を含めて多くの日本人はそう思っているでしょうがそれは思想からでは無く歴史から学ばなければならないと。